冬の夜と風

今住んでいるところの冬は、嫌いだ。豪雪地域に較べればなんてことないんだろうが、問題は風、空っ風っていうやつだ。
ここらあたりも、風さえ吹かなければ過ごしやすい。昨日の夜は、珍しく穏やかな夜だったが、一昨日の夜は、典型的な冬の夜。体感温度が2,3度どころか、5,6度くらい低くなるんではなかろうか。
そんな風の日は、ウォーキングをしていても、なかなか体が暖まらない。家や建物などの遮蔽物が無い場所や、ビルの傍は強く冷たい風で体が冷える。歩いていて、方向が変わり向かい風から追い風になると、少しほっとする。基本、風の吹く夜は苦手だ。
だけど、風の無い夜は独特の雰囲気があり割と好きかもしれない。冬なので、家庭や商店の扉が閉まっていて、静かだ。空気も冷えてはいるものの、澄んでいる。
信号の点滅の色が映える。風が吹いている時の様な、体の熱を全て奪っていくような寒さでは無く、静かに冷たい感じは、優しくはないけれど攻撃的では無い。
12月に入り、イルミネーションが増えるなか、それを眺めながら歩くのもいい。これから忘年会が増えて、街の喧騒も多くなるだろうが、平日は比較的静かな佇まいだ。

夜、ウォーキングをしていると昔、飲み歩いていた頃を思い出してしまう。街でさんざん飲んで、ふらふらと歩いて帰ってくる感覚が、夜の感じが似ている。あの頃、帰ってくるのは午前様だったから、今歩いている時よりも遅い時間だ。
なおさら静かで、空気がシンと冷えていて、澄み渡っている。神道では、夜は清浄なものだと聞いた事があったが、それも頷ける気がずる。
残念なのは、星が見えにくくなって来たことかな。街の明かりがまぶしくて、星が霞んでしまったことかな。(もっとも暗すぎると、ウォーキングどころじゃなくなるんですが。)